「燃えよ剣」がしみた時
高校時代に一度読んだ。
いろいろと悩んでいた時でした。
そして、もう一度
仕事が無くなって、工場の派遣として出稼ぎに行った時期でした。
全く未経験の工場で若い人たちに混じってラインに入り、週六日の一日十二時間とか働いてた時です。
近くに本屋も無く、本を買うお金も無く。
活字と言えば、同じ寮に住んでる若い人から回ってくる週刊ジャンプとマガジン
漫画が読めるのが嬉しくて仕方なかった。
本に餓えたぶんちょは
ある日、歩いて三十分位の所に図書館が有るのを見つけた。
もう、嬉しくて。
本が読めるなぁと、しみじみと思ったのをおぼえている。
図書カードは無理かと思ったら、派遣の社員証で作 れて、本を借りる事ができた。
その時に偶然目に入って借りた本がこの「燃えよ剣」でした。
コタツと鍋と下着の入ったボストンバッグしかない四畳半の部屋で
真夏のとんでもなく暑い中で
夢中になって読みました。
その後に、工場の寮を出ることができ。もう少し良い条件で就職する事が出来ました。
たまにあの四畳半の部屋と、この本を思い出します。あれだけ汗をかきながら読んだ本は無かったような気がして、懐かしさと共に土方歳三さんの人生に想いを馳せたりします。