鏡を見る度に
後退していく額が目にはいる。
気にしている訳では無いが妙に寂しい。
思えば、祖父は二人ともツルツルで。
遊びに行くと、頭を良く来た良く来たと撫でてくれて
「ハゲが移る、ハゲが移る!」
と唱えてくれた。
そのせいでもあるまいが
本当にハゲが移りそうな感じである。
毎朝、タオルで頭を拭き
孫が来たら、ハゲが移ると呪いをかける。
そうして、代々、男達はハゲて行く。
それで良いのではないかと思う。
出来るならダハハと笑う
お日様の様なハゲになりたいものだ。
でもまあ、まだ結構残ってるから
取り敢えずは大事にしておこうかな。