首の傷跡について
時々、首筋に私と同じような傷跡がついている方がいる。
堂々と見せている方もいれば
隠している方もいる。
私の首の傷はタルタルのシワだらけの首の傷跡なので 、あまり目だたないと思っているのだけど
そこは、同じ傷持ち同士なので、何かあい通じる物が有るのか、
お互いに口には出さないけど
ああ、貴方も
と言われているような気がする。
目ざとく目つけてしまっては
ついつい、傷の事に触れそうになるのだけど
傷の持ち主は大概女性であるため
自制する様にしている。
それでも、大変だったろうに頑張っている人がここにもいるなぁ、と
嬉しくなったりする。
何となく他人事では無くなるのが
不思議である。
これで、
「首筋傷兄弟同盟」
とかの秘密結社の誘いでもあったら、入会してしまうかもしれない。
それで、密かに夜毎に覆面を被って集まって、傷を見せ会いながらお互いの事を話す。
あら、貴方も
ええ、私も。
そして、首筋の傷。
そんな首の傷から始まる秘密の生活も良いかもしれないと思う。