手術中の奥さん
私の奥さんは毒舌である。
今日も古本が欲しいと言うので、近くの古本やいろいろな雑貨を売っている店に連れていったら
こんなお宅の店に連れてきてどーすんのよ。
と、辺りはばからぬ暴言。
周囲が氷りついたのは言うまでも無い。
帰り際には店員さんの生暖かな、有り難うございました、の声も聞かれ。しばらくはここの店には来れないなぁと思ったぶんちょでした。
で、手術なのですが、
最初の予定では13時半の開始の予定で。家の奥さんは基本昼飯をほとんど食べない主義なので。昼を食べずに13時頃から待機していた。
緊張を和らげようと瞑想する旦那の隣で、呆れてスマホを見続ける奥さん。
手術は遅れて15時から始まり。
病棟の患者さんが晩御飯を食べ終わっても、食堂の電気が消えて見舞いのご家族が誰も居なくなっても、何の音沙汰もない。
御飯を食べに行こうかと思ったけども、忙しそうにしている看護士にも声をかけにくい。
腹が減った。と思っていたら、やっと看護士さんご現れて今からご案内します。と言うので立ち上がったところ。
霊安室へご案内しますので、此方へ。
とエレベーターの方へ連れていかれた。
ぶんちょが!
まさか、手術が、、、、
奥さんは頭が真っ白になって良くは覚えてはいないそうなのだが、気がついたら担当医が切り取った患部を持って待っており。
手術は無事に終わって、此方が切り取った腫瘍ですと見せてくれたそうだ。
腰が抜けそうになったとえらく叱られたことは言うまでも無い。
何故霊安室と聞き間違えたのかは謎だ。